NRG 日本理容技学建設会
 

   
                   東京本部・狐塚均  naturel_12@yahoo.co.jp
 過去分への移動はこちらから→ 第1回 替刃の使用状態表示  第2回 替刃レーザーは寝かせて、軽く剃る
  第3回技術者の重心について  第4回 レーザーの二点接触について  第5回 スチームタオルの纏包と密着 第6回シェービングにおける添え手について  第7回眉毛について  第8回ケアシェービング  第9回リンパシェービング  第10回 リンパマッサージ  第11回(最終回)頚椎ホットエステについて   
                                                    
第11回 平成27年2月24日(最終回)            ページトップへ     
 頸椎ホットエステについて
 私の店でお客様から喜ばれているメニューの一つに「頚椎ホットエステ」があります。
 これは、夏のメニューである「冷やしシャンプー」の対抗として、冬季の限定メニューを考えていたとき発案したものです。冬ということで暖かくなるメニューですが、頚椎を温めますのでとても気持ち良いものとなっています。需要も多く、今では冬季に限らずフルシーズンメニュー化しています。このメニューにオイルシャンプーも組み合わせると更に喜ばれるメニューにもなります。
 今回は、頚椎ホットエステだけの紹介ですが、技術は至ってシンプルです。これは殆ど、美顔術の最後の頸部の部分を行うだけです。技術行程等は、次の通りです。

【効果】
 頸椎を温めることで快感を与え、マッサージにより首筋・肩の疲れを取る。

【技術順序】
 美顔術頚部の順序と同じ。但し美顔術程襟の奥までは行わない。
 1、準備
  襟のタオルは、後ろだけ美顔術のように内側に折り曲げて掛け、前からのタオルは、その上に前方から、後ろまで回さず軽く置くように掛ける。
 2、スチームタオル
  纏包、指圧及び揉撚、清拭
  a.タオルを三つ折りにして密着させ、タオルの上から項窩・その横・乳様突起下部を左右指圧する。
  b.後頸部を母指と4指で揉撚する。






  c.右小指球で右頸部、右母指球で左頸部を上に持ち上げる様な感じで揉撚する。次にタオルを上に抜き取り、綺麗な面を出し、頸部及び背中を拭く。






 3、乳液塗布(後に油分を残さないようにするためにオイルは使用しない)
  軽擦、重擦(指圧・揉撚)






 4、スチームタオル
  纏包、指圧及び揉撚、清拭

 5、手圧
  肩に手掌をあて、5秒で押して、そのまま5秒止める。そして5秒で力を抜く。それを2回。

 前回、ご紹介したリンパマッサージの頸部の部分ともほぼ同じですので、前回の動画3のビデオも参考にして下さい。
 リンパマッサージ・動画3へ   

【時間・料金】
 5分間~10分  500円~1000円

 終わりに・・・
 11回に渡り掲載させて頂いた『メンズグルーミングへのいざない』は今回で終了となります。
 男性が、低価格のサロンや、美容室を利用することが、多くなってきましたが、その多くは、そのようなサロンで本当の満足を得られているわけではないように思います。今こそ理容室が男性のおしゃれに対し満足を与えられるようなサロンになる必要があるのではないでしょうか。メンズグルーミングは、先端のことをするというよりもベースになるものだと思います。
 そう言う意味では、日技会は、基本をそのまま丁寧に行えばいいのですが、「売る」ということを考えた場合、少し目先の方向を変えて見ると、結果を変えられるのではないでしょうか。
 今回の「頚椎ホットエステ」は、正にその例だと思います。
 掲載が間隔的に不規則になってしまいましたが、長い間ありがとうございました。

 以上。


第10回 平成25年2月3日                   ページトップへ  
 リンパマッサージ
 リンパマッサージは、西村幸子日技会総本部リラクゼーション部長がチーフとなりエステ科でまとめ、前回お伝えしたように、平成22年の日技会地域ゼミナールで西村幸子部長が発表したものです。リンパシェービングは、リンパマッサージとシェービングを組み合わせてメニュー化したものです。リンパシェービングには、第9回で取り上げました指圧コースとフルコースがあります。リンパシェービングでは、シェービング前に肩や頸部をマッサージしますが、マッサージの原型は、日技会で発表したリンパマッサージそのままです。
 リンパマッサージは、消費者の間でも非常に関心の高いものと言えます。サロンでは、必ず喜ばれるメニューになると思います。会で発表後3年になりますが、サロンでメニュー化されていないようでしたら、この機会に営業に取り入れてみてはいかがでしょうか。
 今回は、そのリンパマッサージを動画でご紹介致します。第9回のリンパシェービングとも合わせてご覧下さい。
動画1 前半(塗布→軽擦→揉撚・指圧→指圧→軽擦)
 
動画2 後半(揉撚→ストレッチ→9コース・重擦揉撚→軽擦→拭き取り)
 
動画3 頸部(清拭→オイルマッサージ→拭き取り)
 
 以上。


第9回 平成25年1月17日                   ページトップへ
 リンパシェービング
 「メンズグルーミングへのいざない」9回目の今回は、リンパシェービングです。リンパシェービングとは、リンパマッサージとシェービングを組み合わせて、少しアレンジを加えたメニューです。このように技術を組み合わせることで新たな需要を喚起した商品が誕生します。
 リンパマッサージは、快感を与えると共に、リンパ液の流れを促して、生理機能を高めることを目的とします。今、リンパマッサージは、ブームです。多くの消費者が興味を持っています。そう言う意味では、サロンで消費者に受け入れられる土壌が既に出来ていると言えます。日技会においてリンパマッサージは、平成22年度の地域ゼミナールの科目でもありました。
 リンパマッサージの効果の一つに、お顔のたるみを取り、筋肉を引き締める作用があります。たるみを取ればリフトアップに繋がります。よってアンチエイジングの効果としても有効です。リフトアップは、お顔だけを行なっても良い結果は得られません。効果を高めるために、お顔のマッサージの前に肩を揉みほぐす必要があります。そのためリンパシェービングでは、お顔そりの前の椅子が起きている状態からこのメニューに入り、先ず肩付近を揉撚します。その後シェービングをして、次に顔面のリンパマッサージを行ないます。そうすることでリフトアップの効果が持続します。
 シェービングでお顔を整えた上に、リンパマッサージの効果と重なり、美と気持ち良さを兼ね備えた”売れるメニュー“となります。また、このメニューの価値を高めるためにマッサージの効果をお客様に説明することが大事です。逆に言うと技術と一緒に理論をお伝えしないと価値が半減します。
 リンパシェービングには、全てのマッサージを行うフルコースと、簡易的な指圧コースとがあります。Ⅰはフルコースのプロセスです。Ⅱは指圧コースです。指圧コースは、フルコースのプロセスの中のアンダーラインの入った技術のみを行います。今回は、サロンに先ず導入し易い、指圧コースを取り上げます。

Ⅰ フルコース技術プロセス
《肩・後頸部揉撚》
《シェービング》
《リンパマッサージ》
 1、マッサージオイル塗布
 2、軽擦
 3、揉撚・指圧
 4、指圧
 5、軽擦
 6、揉撚
 7、ストレッチ
 8、9コース重擦・揉撚
 9、軽擦
 10、拭き取り・顔面仕上げ
 11、頚部拭き取り・頸部揉撚・指圧
 ※アンダーライン部分が指圧コースです。

Ⅱ 指圧コースの動画
 動画1 前半 シェービングまで
  
 動画2 後半 マッサージオイル塗布から
  

Ⅲ 指圧コースの図説
《肩・後頸部揉撚》
 椅子を寝かす前に、肩や肩甲骨を揉みほぐし、リンパマッサージの効果が出やすいような条件を作っておきます。揉む力を高めるような場合には、タオルの上からではなく、タオルとクロスの間に手を入れマッサージをすると効果的です。

《シェービング》
 通常のシェービングを行います。

《リンパマッサージ》
 ※技術順序の通し番号は、フルコースの番号をそのまま使用します。
 1、マッサージオイル塗布
 スチームタオルで拭き取り後、スクワランなどのオイルを塗布します。

 2、軽擦
  
 軽擦で顔面全体を軽く擦ることで抹消神経の伸縮力を増進させ、肌を活性化させます。
 ①耳下腺揉撚
  左右同時に耳下腺を4指で4~5回回転しながら揉撚し、鎖骨へ流すように移動する。5回程度繰り返す。
 ②鎖骨に沿って胸のマッサージ
  3回程度回してから外側に移動する。移動は、出来るだけ腕の付け根の腋窩(えきか)リンパ節まで行う。この 動作を3回繰り返す
 ③顎→耳
  指先で顎から耳方向に移動させる。左右交互で数回行う。(左右4回づつ程度)
 ④口角→耳
  指先で口角から耳方向に移動させる。左右交互で数回行う。
 ⑤頬→耳
  指先側先行で頬から耳方向に左右交互で数回行う。
 ⑥目の周り
  外眥・目の下→内眥→目の上→外眥の順に数回回す。回り方がこの運行だと眼球を圧迫しない。
 ⑦額→耳
  額からこめかみを通り耳方向に移動させる。左右交互に数回行う。その際額を中心から外側に引き、こめかみで手の方向を変え指先先行で耳に移動する。
 ⑧耳下腺揉撚
  ①に同じ
 ⑨鎖骨に沿って胸のマッサージ
  ②に同じ

 4、指圧
 顔面全体を指圧します。ゆっくりと指で押すことで血行を良くし疲労を取り除きます。指圧をする場合のポイントとして、押す時間と離す時間は、同じになるようにします。
  
 ①額
  a.前額部正中線上を下から上に左右の母指を重ね3か所指圧をする。母指は利き手側を下にする。3回繰り返す。
  b.aの3か所の位置から、横方向にこめかみまで5~6回づつ左右同時に肘を落としながら外側に押し進む。
 ②鼻側
  示指に中指を添えて左右同時に鼻側の両側を押しながら、上から下に移動する。
 ③下顎部
  4指で指に引っかけて引き上げる様な感じで押す。
 ④上顎部
  上歯ぐきに添って中心から外側に押し進む。
 ⑤ほほ骨
  頬骨に添って内側から外側に押しながら移動する
 ⑥左目の周り
  a.目の下
   眼裂の下を押しながら内側から外側に移動する。その動作を2回繰り返す。添え手は肘を張り額に置く。
  b.上眼骨に添って
   上眼瞼を押しながら内側から外側に移動する。その動作を2回繰り返す。
  c.目尻から
   横・30°上、60°上の3方向を外側に向かって引き上げるような感じで押し進む。
 ⑦右目の周り
  左と同じ
 ⑧眼球掌圧
  眼を覆うように外側から手掌をあて、眼球を左右同時に軽く圧迫する。
 ⑨肩のくぼんでいるところ
  母指で内側に押す。他の4指は背中側から支える。
 ⑩背中
  母指で背中を指圧しながら、内側から外側に移動する。他の4指は前面で支える。

 10、拭き取り・顔面仕上げ
 スチームタオルで拭き取り、乳液を使用し顔面を仕上げます。

 11、頚部拭き取り・頸部揉撚・指圧
  
 ①椅子を起こして頚部のタオル清拭法を行なう。
  a.タオルを三つ折りにして密着させ、タオルの上から項窩・その横・乳様突起下部を左右指圧する。
  b.後頸部を母指と4指で揉撚する。
  c.右小指球で右頸部、右母指球で左頸部を上に持ち上げる様な感じで揉撚する。次にタオルを上に抜き取り、綺麗な面を出し、頸部及び背中を拭く。
 ②乳液を塗布してマッサージ。
  塗布・軽擦後に、次のように指圧・揉撚を行なう。
  a.添え手の右4指を右頸部に置き、右母指で左頸部を揉撚指圧する。次に左右を替えて左手で右頸部を揉撚指圧する。
  b.左右の母指で後頸部の左右を同時に指圧する。次に順次指圧をしながら下に下がる。
 ③乾燥タオルで拭きとり終了。必要であればタオル前にスポンジで拭き取る。

 以上。


第8回 平成25年1月7日                   ページトップへ
 ケアシェービング
 平成14年度に日技会総本部で行われた講師ゼミナールで、総本部より「シェービングのためのプレケア」の発表がありました。あれから10年経ちますが、発表以来少しづつ業界の中でシェービング前のケアについて語られるようになったと思います。
 さて会員の皆様、サロンでのシェービングのプレケアの状況はいかがでしょうか。数あるプラスアルファのメニューの一つですが、価値あるメニューの一つだと思います。まだメニュー化されていないようでしたら是非、メニューの一つに加えて頂けるといいのではないかと思います。
 『メンズグルーミングへのいざない』今回は、シェービングのプレケアをメニュー化した『ケアシェービング』をご紹介致します。

1、シェービングにおけるプレケア技術の目的
 ○皮膚コンディションの整備
 ○髭の軟化
 ○マッサージのリラックス効果
 ○皮膚の状態の観測効果
 ○技術全般の丁寧さのアピール

2、コースと技術順序
《ベーシックコース》(プレケア所要時間3〜4分)
 ① クレンジングオイル塗布後軽擦法・・・皮膚の汚れを取り除く、保湿効果 
 ② 微温湯で白く乳化(図0801参照)、ふき取り・・・浮き上がった汚れを取る
 ③ トリートメント剤塗布後軽擦法・・・ひげを軟化させる、肌荒れを防ぐ
 ④ スチームタオルによるスチーミング(2枚重ねで1分)・・・皮膚を柔軟にする
 ⑤ ふき取り後シェービングミルク塗布(またはラザーリング)・・・乾燥を防ぎ、レーザーの運行をスムーズにする、皮膚を保護する
 ⑥ シェービング〜仕上げ

《リラックスコース》(プレケア所要時間10分〜20分)
 ① クレンジングオイル塗布後軽擦法
 ② 微温湯で白く乳化(図0801参照)、ふき取り
 ③ トリートメント剤塗布後軽擦法
 ④ スチームタオルによるスチーミング(2枚重ねで1分)
 ⑤ ふき取り後オイルパック(3〜10分)・・・保湿効果、 皮膚のトラブル防止
 ⑥ 微温湯で白く乳化、ふき取り
 ⑦ シェービングミルク塗布(またはラザーリング)
 ⑧ シェービング〜仕上げ

 

【べーシックコース動画】
 

3、料金について
 料金の考え方は、様々です。所要時間や材料費を計算して決める場合もあれば、そのようなものとは全く別にイメージで高めに設定する場合もあります。このメニューを通してどれだけ利益を上げたいかかということも基本的な要素の一つのです。
 今、調髪料金のアップは、難しい時代です。100円上げるだけでも大変な時代だと思います。そのような時にこのプラスアルファのメニューを行い希望をされるお客様だけに施術をさせて頂いたら平均客単価のアップにも繋がります。しかも全てのお客様に適応の「料金の値上げ」とは違い、メニューの不要な方には、何も変わらない訳ですから、お客様への負担がありません。
 また、材料費などを考えたときにマイナスの状態に設定することもあります。いかなるプラスアルファのメニューであっても無料で行うというのも一つの考え方です。つまり、既に調髪料金を頂いている訳ですから、それで充分ということです。何かをつけて、それが格安だったり無料であったとしたら、今度は調髪コースそのものの価値が上がります。ようは、いかにしてお客様に満足を与えることが出来るかです。
 参考のために価格の例を記載します。(調髪料金へのプラス価格)
 ベーシックコース・・・・¥480
 リラックスコース・・・¥1200

 以上。


第7回 平成24年12月13日                         ページトップへ
 眉毛について
 男性が眉毛にこだわることは、おしゃれの象徴です。整えられた眉毛は、メンズグルーミングの中でも、その主たる部分とも言えます。眉毛というのは男女を問わず、お顔のイメージに大きな影響を与えます。顔のイメージを変えるということは、その人の第一印象までも左右させることになります。
 また男性の眉毛は、年齢と共に両側が下がってくる傾向があります。そして長い毛が出てきたり、部分的に薄い個所も現れたりします。そのようなところを整えることは、アンチエイジング効果として大いに期待できます。
 サロンでは、先ず技術者がお客様の眉毛にこだわることが大切です。技術者がお客様の眉に無関心でいたら、グルーミングがアップすることはありません。

【技術順序】
 図0701 理容技学全書321頁に女性の眉毛を剃る技術順序が掲載されています。図0701は、技学全書を元に男性用として図説したものです。これは、日本人に多い右巻きのつむじの人を対象として順序立てられています。右巻きのつむじの人は、左の眉が高くなっています。眉も出ている方を先に剃るのが原則ですから、眉毛の上部は、左を先に剃ります、そして下部は右から剃ります。また上部と下部でどちらを先に剃るかでは、形の基礎となる上部を先に剃ります。
 しかし、これは基本的な順序であって、その順の理由を上回るような要因があれば、この順序にこだわることはありません。

【眉シェーブの実際】
 では実際の眉に対してのシェービングの一例を示します。ここでは左右でビフォーとアフターの比較をして頂くために右の眉だけを先に剃ります。
 写真0702 剃る前の状態です。特徴としては、薄い部分と濃い部分があり、左右の眉下外側部分が下がっていて、眉が垂れ下がった印象になり、優しさのイメージはありますが、若さと力強さに欠ける眉毛となっています。

  写真0703 眉下の不要な部分を剃ります。基本順序では、眉の上から剃りますが、このモデルさんの場合、上部は剃り込まず、眉下の下がった部分を削ることを大きな目的としています。そのため先ずその部分を剃り、眉上は後で全体の形のバランスを見ながら剃ります。
 なお基本的に女性の眉は、シェービング石鹸を付けて先に剃りますが、男性は、2シェーブの後、そのままお湯を付けて剃ります。

  写真0704 男性でも眉毛の上部を剃り、細くすることを好む人もいますが、通常、男性の眉毛の上部は、余り剃り込まず、自然な感じにします。そういう意味では、男性の眉は下部で形を付けるとも言えます。
 また眉毛は、丸い原型の額の部分にあり、内側と外側とでは、レーザーの入る角度が変わります。そのためお客様の額の形のアールに対して、技術者の体の角度を合わす必要があります。

  写真0705 長い毛があったらコームを使ってシザースでカットします。余り強く引き出すと大切な残す部分まで削ってしまいますので、コームを軽く添える程度にします

  写真0706 輪郭の微調整です。コームは使わないで、自然のままで出る毛があったら取ります。

  写真0707 毛流に添ってコームで梳かし、出る毛があったら整えます。眉毛の輪郭は、1本1本の毛が重要ですので、取り過ぎには、注意します。

  写真0708 右の眉が完成しました

  写真0709 左右の形が揃いました。

  写真0710 ペンで差している箇所が毛流により薄くなっています。このような場合、お客様に説明をして、アイライナーで補正をすることを提案してみては如何でしょうか。一寸した一手間が、サロンでのシェービングの価値を高めることにも繋がります。

  写真0711 顔面仕上げの後、あくまでも自然に描きます。余り追及し過ぎますと、滑稽な感じになってしまいます。

  写真0712 完成した眉毛です。垂れ下がった部分を無くしたことで、すっきりしたイメージになりアンチエイジング効果も引き出せたと思います。

 眉を剃ることは、長い間の理容店でのシェービングに付随した行為です。サロンの価値を高めるためには、お客様に何も伝えず、この技術をしてしまうよりも、お客様とコラボレーションをしながら、作って行く感覚が大切ではないでしょうか。たかが眉ですが、されど眉です。技術者が熱い想いでお客様の好みを聞き、プロの提案をしながら作っていく。そんなこだわりを持って眉毛スタイリングをしたら、きっとお客様もドキドキ・ワクワクされることと思います。
 以上。


第6回 平成24年11月5日                         ページトップへ
 シェービングにおける添え手について

 シェービングにおける添え手とは、カットにおけるコームのようなものだと思います。鋏さばきが良くても、またその鋏の切れ味が優れていても、コームが正確に髪を捉えていなければ、良いカットは出来ません。
 
同じようにレーザーがよく切れて、安定した運行が出来ていても、添え手が適切でなければ良いシェービングは出来ません。レーザーを操る右手と、添え手である左手は、一体のものとして共に快適なシェービングに対しベクトルが合っていることが大切です。
 
シェービングにおける添え手の目的を技学全書から引用させて頂くと、皮膚面とひげとをシェービングに適した状態にすることにあります。ひげを根元からできるだけ短く剃るためには、添え手で毛流上方から皮膚を引いて、毛を起こさなければなりません。しかし引っぱられて緊張した皮膚は、傷つけやすく危険です。添え手は、ひげを起こすと同時に、皮膚面に弾力をもたせて、レーザーの感触をよくし、損傷を防がなければなりません。
 また、口角部のような凹みを、皮膚の弾性によってふくらみをもたせ、レーザーの運行を容易にしたり、下顎部のように骨格が皮下に近い部分では、レーザーの当たりが強くなるので、これを皮膚の伸縮性を利用して位置をずらします。このように添え手は、皮膚面やひげの条件に応じて、レーザー運行に適した状態を作るものです。
 
しかし、皮膚の形状やひげの具合は、人により異なります。よって添え手は、剃ろうとするその部分をよく観察して、どのような添え手が適しているのかを考え、技術を行う必要があります。添え手の具体例を写真に示すと次のようになります。
写真0602・・・刃の峯側に添え手があります。添え手を後方に引き気味にすることで皮膚の張り具合を調節します。
写真0603・・・母指と示指で摘み、口角の窪みを持ち上げた状態です。
写真0604・・・母指と中指で適度にひげを起こしています。
写真0605・・・骨の上は皮膚をたるませ弾力を作ります。
 写真0606・・・凹凸のある耳などは、添え手で皮膚をなだらかにします。

 話は、変わりますが、安全剃刀とは、刃を安全な角度で固定し、皮膚に食い込まないようにした剃刀です。安全剃刀と一言で言っても様々なものがあります。片刃と両刃、2・3・5枚刃などの複数刃、安価なものから高いものまであり、機能もローラーのついたもの、ジェルの出るもの様々です。しかし大ざっぱに言えば、名の通り安全ということで一応共通していると思います。
 この講座で、以前レーザーの安定した運行の必要性を述べさせて頂きました。その中でお伝えした通り、気持ちのいいシェービングをするためには、レーザーの安定した運行は、非常に大切なことです。しかし、それはあくまでも右手です。そこに左手の添え手が適切でなければ、完成したものにはなりません。
 
そこで安全剃刀を思い浮かべて下さい。安全剃刀は、余り添え手が無くても剃れてしまいます。何故でしょうか。それは、安全剃刀の中に添え手に似た機能が含まれているからです。つまり、刃の前と後ろの囲いの部分です。
 このイメージを安定したレーザーの運行と左手の添え手で作るのです。添え手で、ひげや皮膚をシェービングに適した状態にして、体全体でレーザーの安定した運行をします。技術者の体全体が一つの安全剃刀となり、左右の手の動作が一つの目的の元で合致することです。そうすれば、安全剃刀の長所を技術で取り入れることが出来ます。抽象的な表現ではありますが、シェービングの際に、このように体全体が一つのシェービングマシーンになるイメージを持つことです。
 そのためには、本講座第3回で述べましたが、体の重心が最も大切になります。第三回「重心について」をもう一度読んで見て下さい。体とレーザーの運行と添え手の三つが一体となるヒントが見つかると思います。
                                      以上。


第5回 平成24年10月5日                           ページトップへ     
 スチームタオルの纏包と密着について
 本講座の元となっている昨年掲載の、理容文化誌上「メンズグルーミングへのいざない」第1回目の1ページに、スチームタオルを纏包した後の密着と指圧の気持ち良さについて述べました。それは施術を受ける側の立場、即ち顧客目線で展開したものです。
 先ずは、その一部を紹介します。

ゆったりとした行きつけの理容店の椅子。
たおした椅子に寝ていると全身の力が抜け、体が深く沈んでいく感じを覚える。
ひげが剃りあがった。
ふんわりとしていてボリューム感のある、温かいスチームタオルに、顔全体が包まれる。
お気に入りの理容師が、顔に乗せたタオルの上から指で各部を密着させる。
目・鼻・口の回り・あご・こめかみ・・・。
高級感のあるタオルが、顔全体と一体化した瞬間である。
思わず大きく息を吸い、そのまま吐いた。
至福である。
「気持ちいい」などと口には出さないのが、
生まれつきの不器用な性分である。
しかし、確実に日頃のストレスが、緩和されて行くのが解る。
・・・・・

 誌上では、まだ物語が続きますが、顔面仕上げでのスチームタオル纏包・密着は、そのぐらい気持ちのいいものなのです。今回は、その至福を与えられる部分について下の写真に合わせて解説致します。
 時間にしたら10秒にも満たない程短いものです。しかし、疎かにしては不可ない。否もったいない程の素晴らしい工程です。

 写真0501 顔面下部からスチームタオルの纏包をして行きます。温度調整をしたタオルですので、熱すぎはしませんが、シェービング中のうつらうつらした状態から、適度な目覚めへと導かれていく瞬間です。

  写真0502~0503 顔面全体に纏包が終わりました。やわらかさと重厚感のあるスチームタオルは、家では味わえないサロン独特の快感を与えることが出来ます。因みに、ここでの使用タオルは、斉藤会館で販売している1枚・会員価格347円の青線入りタオルです。

 写真0504 纏包した状態では、顔面とスチームタオルに僅かな隙間を感じます。そこで各部を密着していくとその部分部分の工程が、さらなる快感を呼び起こします。先ず技術者は、目の位置の場所確認のためを兼ねて、内眥を軽く押さえます。

 写真0505 眼球の真上に4指を置き少し下にずらします。ずらし過ぎると眼列をめくってしまいます。スタートが上過ぎるとずらした時に眼球を圧迫します。

 写真0506 次に鼻側を密着します。

 写真0507 そして人中密着です。密着の位置が上から順序良く、徐々に移動していくのも気持ち良さの一つです。

 写真0508 頤部の密着です。この時、指の隙間が全くないように頤部周辺を包みます。

 写真0509 技術者は、肘を開いている角度のまま後ろに引きます。すると自然と米かみが圧迫されます。
 この一連の流れが気持ち良さと共に、技術の丁寧なサロンであることを無言のうちに伝えることが出来ます。
 一寸した高級感を、サロンで多くのお客様に味わって頂けるような、技術提供を是非してみて下さい。 
  以上。


第4回 平成24年9月6日                               ページトップへ
 レーザーの二点接触について
 替刃レーザーは、本レーザーと比べると、切れ過ぎるためひげは容易に剃れますが、同時に皮膚も傷つけやすい性質があります。当然のことですが、シェービングは、皮膚を傷つけずに、ひげだけを剃るものです。ひげを剃りながら皮膚を傷つけないようにするためには、皮膚に対する強い圧力を与えないことが大切です。ひげを剃ることは、力ではなく、レーザーの刃の切れ味で行うものです。
 これまで本講座で、レーザーの皮膚に対する圧力を軽減させることについて、その大切さに触れてきました。いわゆる「対皮圧力の軽減」です。これは、今の替刃シェービングに於けるキーワードとも言えます。替刃メーカーも挙ってレーザーの機能として、対皮圧力を抑えることに重みをおいています。
 対皮圧力が軽減出来れば皮膚を傷つけにくくなります。皮膚に加わる圧力を少なくさせるためには、刃先の皮膚に加わる力を分散させることも一つです。刃先だけで加えていた力を刃以外の部位でも加えて力を分けることです。
 そこで考えられたのが、レーザーの皮膚に対する二点接触です。最近のレーザーはその理論に則って出来ているものが多くなってきました。
    図0401     図0402
 図0401は、刃の近い部分に膨らみがあります。レーザーを寝かせて剃ることでシェービングをする時、刃と共にここがあたります。そこで力が分散されるわけです。
 図0402は、替刃がホルダーに深く入るようにするために溝を深くしたのもです。こうすると刃の出具合が少なくなり、図0401で説明したホルダー部分がより皮膚に接するようになります。最近は、刃の長さ自体を短くして同じ機能を持たしたものもあります。但し、この場合、溝の深いホルダーに刃の短いものを使用したら刃がほとんど隠れてしまい、使えない状態になりますので注意が必要です。
     図0403
 図0403は、刃の前に押さえのある替刃です。ガード刃と言われていますが、各社とも売れている形態です。刃の前で皮膚を押さえているため、安全剃刀にも近い切れ味があります。
 他にも刃の力を分散させる機能を持つレーザーはありますが、全て二点(多点)接触の原理に基づいたものです。 以上。


第3回 平成24年8月8日                                       ページトップへ
 技術者の重心について
 様々な理容の技術で技術者が体の重心を左右どちらに置くかということは、正しい技術を行うために大変重要なことです。今回は、シェービングを行う際の技術者の重心について考えてみたいと思います。
 理容技学全書29ページに技術者の重心についての記載があります。重心は、右手を使う場合右足重心、左手を使う場合左足重心が原則です。シェービングは、通常右手でレーザーを持ちますので、右足に重心を置きます。
 本講座第2回でレーザーのあたりについて、対皮圧力を軽減させることの大切さを述べましたが、そのためにはレーザーの運行が安定したものであることも大事です。レーザーの運行を安定させるためには、体の動きが安定している必要があります。安定した体でレーザーを持つからこそ、運行が安定する訳です。
    写真0301    写真0302
 レーザーを安定した運行にするためには、レーザーが体の中心から関節的に近いところにあるかどうかが影響を与えます。写真0301は、右足に重心を置いています。体を樹木に例えると右足という太い幹から右手という大きな枝にレーザーが付いています。その点、写真0302は、左足という幹から、右肩までの枝に、右手という更に細い小枝がありそこにレーザーがついています。つまり右足重心よりも左足重心の方が、1つ枝が多く位置的に遠くなっています。そのため左足重心の方がレーザーを持つ手が安定感に欠ける訳です。
 更に写真0301の右足重心の場合、右肩を少し上げ首も右に傾け気味にしていますので、幹を太くする効果を得て安定度を増しています。しかし、写真0302の左足重心の場合は、レーザーを持っていない左側の肩を上げ、首を左に傾斜していますので、右足重心の場合と比べても更にレーザーの安定度に開きが出て来ます。
 肩を上げることと首を傾斜させることでの手の動きの精密さの違いは、技学全書28ページにも説明がありますので是非見て下さい。
 鋭利な刃物を皮膚につけて行う技術は、当然のことながら精密な技術が要求されます。技術次第で「痛い。痛くない」「気持ちいい。気持ち良くない」が直接お客様に伝わります。その大きな役割を果たす要因がレーザー運行の安定度になります。今一度シェービング時に於ける技術者の体の重心について確認してみて下さい。
 ちなみに技学全書は、斉藤会館で会員価格18000円で販売しています。日技会員で持っていない方は、一生使える理容のバイブルですので是非お買い求め下さい。
 以上。


第2回 平成24年7月9日                                
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 替刃レーザーは寝かせて、軽く剃る
 今回は、替刃レーザーの使い方の内、「対皮角」と「圧力」について説明をさせて頂きます。
 理容技学全書の296ページに、本レーザー使用の場合の対皮角についての記述があります。対皮角は、45°を基準として 、抵抗のあるひげは、寝かせ気味で、抵抗の少ないひげは起こし気味にということです。但し、45°の角度は図0201のように、刃の接する皮膚の角度に対してのものです。故に対皮角45°の角度でも見た目は、45°よりもかなり寝て見えます。
 そこで替刃に関してですが、替刃は基本「寝かせて剃る」ということです。もちろん、本レーザーも替刃も同じ刃物で すから、技学全書での原理は共通です。しかし、基準の角度が替刃の場合、45°より更に寝かせた方がいいという ことです。
 では、替刃を寝かせて使うと何故いいのでしょうか。替刃は、調整された本レーザーと比べると刃の先端が鋭すぎます。そのため対皮角が大きいと皮膚に加わる力が強まり、皮膚を傷つ けやすくなります。逆に対皮角度が小さいと皮膚に加わる力が弱まり、安全な技術がしやすくなります。図0202のように対皮角は、立てば立つほどレーザーの皮膚に対する圧力は強くなり危険度が増します。
 但し、寝かせすぎると皮膚への圧力は抑えられますが、抵抗のないひげ等は、刃から逃げて剃れなくなります。当然状況に合わせた技術が大切です。
 次に圧力です。今、替刃メーカーでも共通のキーワードとも言えるものに「対皮圧力の軽減」があります。前述した通り、対皮圧力を 軽減させることが、替刃レーザーの運行には大切なことです。対皮圧力を軽減させるためには、そのままですが「余計な力を入れない」ことが 一番です。
 レーザーを持つ右手に不必要な力を入れ過ぎないことです。力を入れて強く剃れば、図0203のように対皮圧力が強 まり、軽く剃れば、圧力は弱くなります。
 またレーザーの運行のスピードを増しても力が加わります。遅すぎても不可ま せんが、ストロークが早すぎるのは禁物です。重さとスピードが高まると、ひげを剃るという力は増しますが、その分皮膚も傷つきやすくなります。あくまでも力ではなく、レーザーの切れ味とテクニックでひげを剃ることが大切です。
図0201
     
               図0202                            図0203
 第2回終了。


第1回 平成24年6月29日 
                                 ページトップへ
 替刃の使用状態表示
 昨年私は、「理容文化」誌上でシャンプーとシェービングについての連載をさせて頂きました。「メンズグルーミングへのい・ざ・な・い」というタイトルで、平成23年5月号から10月号までの6回です。この発端は、全理連の組合講習である「究極のシャンプー&シェーブ」のプロジェクトの1人として、私が関わらせて頂いたことにあります。「理容文化」のバックナンバーは、(株)理容文化にあると思いますので、購入のご希望な方は会社にお問い合わせ頂ければ幸いです。
 今回この特別講座を活用して、日技会会員を対象にシャンプーとシェービングにおけるヒントをご紹介したいと思い講座を開講致しました。何回続くかまだ決めていませんが、1回分の内容が余り長くならず、読みやすく小分けにしてお伝えしたいと思います。またシャンプーとシェービングの順序も整列させた形ではなく、トビトビにはなりますが、その時々で必要なポイントを取り上げてみたいと思います。
 なお、全理連での組合講習「究極のシャンプー&シェーブ」の講習依頼は、全理連事務局で受け付けていると思いますので、必要な場合は、事務局に問い合わせてみて下さい。
 さて、第1回目の内容です。いきなりですが先ずは、レーザーの替刃の使用度合を表示する加工についてです。写真0101は、レーザーに5段階の切り替え表示がスライドで出来るように加工をしてあります。
                 写真0101
 この表示の使い分けは、次のようにしています。
 左から1→取り替えたばかりの新しい刃、2→少し使用してややマイルドになった刃、3→特に濃いひげは剃れないけどひげの薄い人には、適している刃、4→刃の前後をひっくり返してネックシェーブなどには適している刃、5→切れなくなったため使用できない刃、簡単に言うとこのように使い分けています。ですからレーザーは常に複数を使用します。
 このような使い方をすることで、たとえば「新しい刃を使用したために血を吹いてしまった」とかの失敗が防げ、快適なシェービングの一つの要素を作ることが出来ます。もちろん一客毎の消毒は必須です。
 但し、大切なことを付け加えますが、元々どの種類の刃を入れたかは、当然重要なことです。ここでは次の2点について追記を致します。
 ①マイルドな作りの種類の刃は、最初のスタートが、そうでない刃と比べると荒さが少なくなっています。少し使用した状態と似たような状態になっています。但しその分、耐久性は欠けます。
 ②刃の種類は、切れ具合で一律に並ぶものではありません。例えば、厚刃で出幅のある刃は、切れなくなるまで力を保っています。力が備わっているということは、その刃の最大の長所ですが、使用法を間違えると短所にもなり危険です。
 いずれにしても替刃は、どの刃を入れたのか、またどのぐらい使った状態なのかということを意識して使用することが大切です。

 第1回目は、以上です。こんな感じで毎回ポイントをお伝えしていきます。次回をお楽しみに・・・

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