NRG 日本理容技学建設会
 
 
  
お客様は恋人で、お店はディズニーランド
         そして自分は楽しい物語の主人公



                            神奈川本部・松野洋一
                             matuno@ae.netyou.jp
                             
  お客様は恋人で、お店はディズニーランド。そして自分は楽しい物語の主人公。理容業界に入って良かったと思っています。
 1991年のバブル崩壊から5年たった1996年(いまから15年前。QBハウスが1号店を出した年です)に答申された21世紀ビジョンで、理容業界は「若者や女性に好かれる魅力ある理容業になり、他産業との競争に勝つこと」「地域社会との一体感を深め、地域社会の一員として街作りの担い手となること」「業種という発想から、美や健康を売るなどの業態開発をすること」「若い人材の開発と職人から経営者への脱皮をしていくこと」などと、各県の講習で熱く語っていたあの頃を、60才の全連講師定年を迎えた今、思い出しています。
 その頃の理容店経営者は経営努力というと、営業時間の延長や、休日を減らすなど、長時間労働にシフトをすることのように思っている方が多く、魅力ある理容店へ向かう努力とはどんなものか?具体的なイメージを持っている方が少なかったように記憶しています。
 その頃の理容師さん達の会話で「ありがとうございます」をしっかりと言うことが大事だよね。と実感を込めてお話しになる方がいました。あたり前のことが出来ていない現実がありました。多くの理容師が、お客は黙っても来るものだという恐ろしい錯覚に陥っていたと思います。
 以降、増え続けた理美容店による、供給過剰から来る過酷な競争社会。そして長期にわたるデフレ経済のせいで、近年どんなに努力しても、なかなか売上の減少に歯止めがかからないという声を多く聞きます。
 誰だって、経営を上手くやって、儲けて豊かになりたいと思っています。でも豊かになるのは結果の話で、その前に経営を上手くやるために何が必要なのか。それをとことん考え、実践することが必要です。15年前、偉そうに「理容業界はこうあるべき!」「こういう経営努力をしましょう!」と言っていた自分。その自分もやはり経営はへたくそでした。もう少し言えば経営者としての意識や覚悟が希薄でした。結果、なかなか売上が思い通りにならない。当然です。
 しかし講師として講習でお話をしたからには、自分の店で繁盛店という結果を出したい。そういう想い(もしくは意地)を強く持っていました。下手は下手なりに努力を続けると、経営努力の方向性や、ポイントが自分なりに見えてくるものです。私が最近取り組んでいるのはファン客を作ることと集客のための情報発信です。
 営業の場で、定年をお迎えになるお客様に「松野さんは定年がなくていいね」と言われ「老後の蓄えがありませんので、頑張って働かざるを得ないんですよ」と冗談とも本当ともとれる言葉を返す私。
 私の本心は気力と体力があり、働く意思があれば、自分の好きな仕事が自分の体力に合わせて出来るというのは素晴らしい。またなんと幸せなことかと思っています。
 自分のやりたいようにできる、私たちの仕事。私たちの足の下に眠る多くの可能性と宝。我々の理容はまだまだ可能性があります。
 昨年は3、11の震災の影響と、欧州の政府債務不安、さらにタイの大規模洪水などで、日本の景気は停滞しましたが、今年は復興需要が日本全国に行き渡り、景気は回復基調に転じると予想されています。さらに経営努力を続けて、大きく飛躍するチャンスの年にしたいと心は燃えています。
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