NRG 日本理容技学建設会
 

    第102回 

   蓄積した教訓を活かす

                東京本部・星野弘 
           shishiza1943@yahoo.co.jp 
 皆様、明けましておめでとうございます。

昨年1年も新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいました。長引く感染拡大への対策を継続することは大きな努力を要します。親しい人との直接的な接触を避け、日常の生活の隅々にも注意を払うよう、自らのできる範囲で感染の拡大防止に努めている人も多くいると思います。日技会の教育研究活動も困難な状況の中での事業運営となりました。リモートワークが余儀なくされ、仲間の存在を感じ難いことから教育・学習のモチベーションを保つのがとても難しかったようです。長く困難な状況が続いておりますが、今しばらく、誰もがお互いを思いやりながら、痛みを分かち合い、支え合う努力を続けることにより、この厳しい現状を忍耐強く乗り越えていくことができるものと信じております。よく「衆知を集める」と言いますが、みんなの知恵を集めて事業を行なっていくことで組織の強い絆となります。より一層結束力の高い組織を作り上げてほしいと願っております。
 会主斎藤隆一先生が没してはや50年。会員の多くは斉藤先生の事を知らないのではないか、そう思います。その当時、斉藤先生の笑顔に引き込まれて「入会しよう!」と心を決めた会員が数多くいた程先生の笑顔は素敵だったのです。先生は人を創ることに卓越していました。あわせて仕事には大変厳しかった斎藤隆一先生です。
 あれは斎藤先生が新理論「カッティング技術の改正した櫛の運行システムの理論及び技術」を発表された頃の話ですから、確か…昭和40年、道場「斎藤会館」で全国研修会が行なわれた時です。偶然にも会主斎藤隆一先生とお話しする機会がありました。今思えばその時の話とは、私は講習会で本題に入る前のいわゆる導入の部分に雑談のような話をよくします。とある地方講習で「実は私もキレそうになる時があるのですよ」と話をしたところ、受講生に大変喜ばれたこと。講師とはいえ、思い通りにならないと、「どうして!」と、イライラすることがある等々。会館までお車での移動でお疲れでしょうに、先生は嫌な顔ひとつせずにニコニコと、本当に素敵な笑顔で私のたわいない話しかけに応対してくださったのです。その時先生から、キレそうな時にキレないで済ませる方法、「自分と対話するゆとりが必要だよ」と教えていただいたことを今でも覚えています。
 私は斎藤隆一先生という業界人がいたことを心から誇りに思います。蓄積した教訓を生かし、仲間の存在に感謝しながら、ともに仕事を頑張っていきましょう。今年もよろしくお願いいたします。
 新しい年が、会員のみなさまにとって実りの多い1年となりますよう、お祈り申し上げます。




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