明けましておめでとうございます。皆様には良き新年をお迎えのことと思います。
昨年もコロナ禍が続く一年となりました。オミクロン株の動向を踏まえ、私たちの日常生活に大きな影響を与え、サロンの経営にもまた苦慮されたことと思います。21世紀は感染症の時代とも言われています。新型コロナウイルス感染症の発生をさらに抑えるためには、1人ひとりが最新の知識を身につけて正しく対策を行なうことが何よりも重要です。みんなで知恵を出し合いましょう。
さて、年が明けて数日すると、気持ちも新たに仕事始めですね。仕事始めに備えて用意しておきたいものの一つが「新年の抱負」ではないでしょうか。
今年2022年は寅年です。新年最初のミーティングなどで「今年はどういう年にしたいのか」上司から聞かれること多くありませんか? さらに、人によっては、新年の訓示や組織としての抱負を人の前で話す立場ということもありますよね。そんな新年の抱負や訓示で使えるのが、新たな年の干支にまつわる意味や特徴です。
そこで、寅年ですが、干支でいうと壬寅(みずのえとら)と言います。「壬」は「妊」の一部であることから「生まれる」という意味です。「寅」はもともと「演」が由来と言われ、「人の前に立つ」「成長する」という意味を持つとされています。ですからこの2つの組み合わせで、壬寅には「新しく立ち上がること」や「生まれたものが成長すること」といった縁起のよさを表している、と言えそうです。
昨年末に、少し気になるところがあり、本棚から会創立50周年記念誌「誠体施」を取り出し、過去の寅年に起こったその時その時の日技会の出来事や特徴など、72年の足跡を振り返ってみました。
過去寅年は、2010年、1998年、1986年、1974年、1962年、1950年が寅年で、西暦1950年は斎藤会(日技会の前身)が結成された年です。この年の7月3日、斎藤会第1回研究会を目黒東横理髪室にて行ないました。科目は理容設計学第一講。担当講師は斎藤隆一先生自らの陣頭指揮で、助手には吉田善七先生。この日から毎月一回定期的に研究会が開催され、「どの科目も結果が出るまでやめない、を教育方針とする」、とあります。
次の寅年1962年は、株式会社斎藤会館誕生の年。4月に会社を成立させ、7月に建設用地(現在地)を購入。講師一人ひとりにも斎藤会館を建てる意識づけが行なわれ、その気持ちが大切に育てられ、2年後の1964年、技学研鑽道場「斉藤会館」が落成いたしました。
その次の寅年1974年は、名誉会長西村幸男先生(現会長のご尊父)が総本部の副会長に就任された年で、会主斎藤隆一先生考案の理容器具「アールブレードレーザー」と「角度櫛」をドイツ・ダームスタット市の理容美容博物館へ収納した年です。これは、西村幸男先生がウエラミュージアムへ寄贈したもの。この理容器具2点は貴重な展示物として、今でも同博物館で大切に保管管理されております。
またこの年、環境汚染などが社会問題化しており、理容をクリニカルな目で捉えての技術開発と顧客サービス志向への開発発展が求められ、会はいち早く、指導員育成のための総本部講師ゼミナール、さらには全国研修会などで全国会員にその情報を共有できるよう努め、それらは日技会の役割として業界に浸透しました。
1986年の寅年。将来確実にやってくると思われるビジュアル時代に備えて、理容技学全書にもとづく「斎藤技学の映像化」を推進させた年となりました。
次いで1998年。近年は特に変化の激しい時代、ファッション動向が以前には今のように話題になっていなかったことや、今では当たり前に考えられ、消費者の生活を大きく変えているファッションデザインの変遷、変化の激しい時代にあって、社会の変化や時代の移り変わりに応じた形でそれに対応した考え、行動していくことは大切なことであり、その時代の日技会の役割を果たしてきました。
振り返りますと、日技会の過去の歴史から、ほぼどの事業に対しても成長サイクルを基軸に、反省して生きた教訓を更に次に繋げる、その繰り返しであったことが挙げられます。
そして、そこから新しい発想や成功に繋がるヒントが生まれたのでしょう、様々な新技術開発に成功し、教育事業を成長発展させ、結果として充実した日技会の「道」会風を創り上げられたものと認識しております。
発会以来日技会は大きな長期構想の中で、世の中に役立つ「愛される理容師を育成する」を教育の理念に掲げ、「この業界にどれだけのものを残せるか」に時間を費やしてきました。その間、節目節目の寅年には新しい発想が生まれ、初めての出来事も多く起こっています。どれにも寅年の「芽吹いたものが成長する、目立つ」という傾向が反映されていると言えそうです。今年の寅年もこれらの新しい芽が成長する新しい教育事業が始まる年として、その兆しはありますが、何事に対しても一挙に成果を求めず、一歩一歩確実に前進することが大事、そんな年となるでしょう。
最後になりますが、全国日技会会員の皆さん、どうか健康に留意され、2022年新たな局面に向けて、楽しく「ぶれずに前へ進む」良い年になるといいですね。
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