すぐ様競技要項、フランス渡航要領等次々と送って来られるに連れ段々と憂鬱な気分になって参りました。まず競技が今年から新しくサロンヘアーに変更されると言う事です。 カット13分、セット7分、セットにはドライヤー、コーム、ブラシの使用禁止、全て手と整髪料のみを使い行う事、ってどういう事?手だけ?意味が分かりません! 更にウィッグは山羊の毛を使った指定の外国製ウィッグに限る、カラーは指定の色6色のうちの3色まで使用可能との事、中々手強そうです。7分で出来るスタイルに3色のカラーかぁ〜って考えているうちにどんどん日にちは経って行きます。6月5日、東京全理連ビル地下実習室においてマスターズのトレーニングをしていただきました。トレーナーも白川先生に決定し喜び勇んで参加させて頂きました。他の方もよく似たもので何も分からず模索しているみたいでした。 ここでカラーは赤、白、黒の3色を使おうと言う事が決定!先ずは一安心、マネキンの衣装、フランスの電圧用ドライヤーも全理連より貸して頂けるとの事で悩みが少しづつ解消されて行きました。 もう後はやるだけ、3か月しかありません!先ず根染め、真っ白な毛だけに余計な所に付かない様に注意して慎重に行います。根元3cm以外は油性のポマードを半瓶くらい使い揉み込んでおきます。これで少々付いても大丈夫!次に赤と白を塗布するのですが赤の色を決定するのに情報収集しなければなりません。メーカー、色の種類、この掛け合わせはすごい数になります、赤も単色ではなく2色以上混ぜる方が深みが出るとか、誰に聞いても要領を得ません。すごく責任が掛かってきますから・・ 赤と白が入ったのが8月に入ってからです。2個目の練習用のマネキンも同時に作っておりましたのでそれを使ってセットの練習をします。一回練習する事にシャンプーをしなければならず、すごく練習効率が悪いです。シャンプーするたびに色落ちして白がピンクになってきます。本番用は大事に取っておきます。 スタイルもあらかた決まったのですが整髪料が決まりません。7分で塗布しセットするので色々試してみます。先ずチック、コームが使えないので中々短時間で塗布するのが難しい。手だけで塗布すると山羊の毛は縺れてしまいます。次にスプレーワックス、スプレーするだけなので短時間で塗布出来る利点がありますがチック程は立たず、次にミスト、スプレー、色々試してみます。最後に艶出しスプレーを塗布する時間を加味して練習をして行きます。 まあまあ出来る様になって来たのが9月に入ってからです。後はフランス行きの準備をしなくては・・クランプがスーツケースに入らない!自立式のクランプを入れようと思えばもっと大きいスーツケースが必要です。弟子に借りることで一件落着。服装は?両替は?なんか頭が一杯です。直前になってタカラベルモントさんよりディナーのご招待が、タカラナイトです。ドレスコードがあるのでスーツも持って行かなくては。また荷物が増えた! フランス便は午前10時発なので東京に前泊しなくてはなりません。宮崎の石山さんよりご連絡を頂き一緒に全理連ビルに宿泊する事にしました。連れがいると少し気が楽になります。いざフランスは飛行時間12時間です。もちろんエコノミーの為トイレの心配があります、幸い通路側だったのでラッキーでした。 シャルルドゴール空港到着後すぐにホテルでスーツに着替えタカラナイトへ、ナショナルチームと合流し酔っ払います! 次の朝はオプショナルツアーを入れて頂きルーブル美術館へ、なんとその凄さに圧倒されました。近所のレストランで食事後はタクシーでホテルに帰り練習です。 大会1日目、先ずはジュニアチームからの競技です。あまりの会場の広さに圧倒されつつ負けじと応援します。シニアチームの競技が始まる前にホテルに帰りまた練習、トレーナーの、助言を実行してみます。中々いい調子。明日はこれで行こう! 本番当日、決戦の日が来ました!準備万端です。競技場に入場するまで自分の番号が分かりません。ロープの中に入る時に日本チームの番号が載ったペーパーを見せてくれます。私は93番、ちょっと奥の方です。クランプ装着OK、水をかけろとの指示、軽くスプレーしていた所ジュリーがやって来て後ろに下がれと言われます。その後ジュリーが水スプレーをぶん取り水をかけるかける、ズブズブにした後オールバックに梳かされました。ここで私の大会は終わったも同然です。山羊の毛は濡らされると乾きません。 ショートカットの作品が優勝しました。私の作品は特に長かったので残念でした。前日の練習が良かっただけに悔しいです。 日本のナショナルチームは2位と3位を獲得しました!凄いです!楽しい非日常な一週間が終わり、気持ちを切り替え日常に戻ります。フランスまで行かせて頂き本当にありがとうございました。良い経験が出来ました事をお礼申し上げます。 |