NRG 日本理容技学建設会
 
  第47回

    第111回全国研修会に参加して
                      神奈川本部 采谷重幸
                       uneya@iris.dti.ne.jp
                            
 全国研修会に参加させて頂きました何年振りの参加になるのだろうか本来こんな事ではいけないのですが随分と遠ざかっている気がします、直近で参加した時の会場は斎藤会館であったと記憶をしていますが今回は中央理美容専門学校でした、しかし何故かあの独特な雰囲気は変わらずに同じなのです、建物内に入り講堂のドアを抜けたそこからあの独特な緊張感と気の焦りの様なものが身体を包みます、私はけして遅い会場入りではないと思える開会の30分前に受付を済ませたのですが既に大勢の全国の会員さん達が準備に入っている様子でした、これが日技会なのでしょう教えを受けてきた過程で学んだ最善の行動を判断して動くという事、そんな会員さん達の姿勢を見て私はあの独特な緊張感を憶えるのだと思います、皆誰もが真剣そのものでした。

 

 今研修会のテーマ「レジェンド オブ フォーマル」フォーマルカットの中でも主軸の一つであるミディアムカットを通して学ぶカットの法則(技学)、そこには理容師としての技術の追究心やお客様への接客の心までも考えさせられるものが詰まっていると思えてしまいます。

業に入りたての初心者ならば刈上げスタイルを学ぶのに良い教科書に成るでしょう、

10年キャリアの者にはこの技術の奥深さの追究が始まる頃なのかもしれません、そして疾うにオジサンの域に入っているキャリア34年の私はというとある程度出来ているつもりでいましたが指導を受けてはそこに納得させられてみたり、また自から新たな発見があったりとまだまだ自分の足りなさを感じる一面もあり、先人が言っていた“繰り返し学ぶ”ことの無駄の無さを痛感した次第です。

 

時には指導側に就く事のある私ですが講習会を受講していると受講者側の視点から講習会の構成や伝わりやすい指導方法などをどうしても考えてしまいます、そんな観点から観ると今研修会ではカットされた毛束がどの様な立体を構成しているのかと捉えることを大切にしていた様に思います、これはミディアムカットの方法論(運行順序)だけの話しに終わらず日技会独特の身体をもって正しい姿勢によりカットをする、その事の大切さをまた違った道筋から解りやすく説くことに成るものと思いました。

また一方では限られた時間の中で全てを深く理解してもらおうとする事が返って理解に混乱をおこさせる事に成ってしまいがちであると言うことにも気付いた様に思います、指導側からするとしっかりと理解して欲しいとか良い技術者に成ってもらいたいと願う強い情熱があります、しかしそれが故に伝えたい情報量が供給過多になってしまうと受手はどこを捉えておけば良いのか分かりづらく成ってしまい返って理解が薄くなる事にも成るのだと感じました。

私自身はどちらかと言うと人に何かを伝えることが上手い方では無いと思っています、私は理解してもらうためにいろいろな方向から説明しようとすることが多いのですが全ての人がそれによって理解を深めてくれる訳ではない様です、時には一方向からの説明だけにしておいて相手に考えてもらうことも理解を深くする事になる様です。

山頂を目指すのに幾つかのルートがあった場合、今回はこの経路を行こうと決めたならば別のルートは語らずに決めた道筋だけを様々な表現方法で説明した方が良い結果を得られる場合があると感じました。

 

私にとって今研修会は何度も学んできた事を更に繰り返し学ぶ事で気付きの新鮮さに触れ、また自身が学ぶことを通して指導の難しさに改めて気付かされた“気付き”の研修会と成りました。

最後に第111回全国研修会「レジェンド オブ フォーマル」の開催にあたりご準備やご苦労を頂きましたプロジェクトチームの先生方そして全ての先生方にこの場をおかりしてお礼を申し上げます、ありがとうございました。


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