私が修業時代から四十年間余り愛読してきました。この「理容文化」という業界紙は全理連の創立と共に創刊されて、現在の組合組織を築く一翼を担って来ました。「理容文化」は最初、全理連の創立に尽力し初代事務局長を務めた樋口信一氏が中心になり組合機関紙として創刊されました。しかし、昭和26年に樋口氏が全理連を退職して(株)理容文化社を立ち上げて、業界紙として刊行して現在に至りました。実は樋口信一氏は会主斉藤隆一先生 が教育委員長に就任する時にも一役買っておられ、先生は樋口氏から直接教育委員に要請されています。樋口氏と斉藤先生との出会いは、先生が「設計学」の本を出版して頂いた神田の河合さん宅へ用事で伺った時に偶然に知り合ったご縁でした。 また星野弘至前会長の叔父上である星野武夫先生は「理容文化」の編集長を務められ、その時にご存知の「齋藤講座」を長期にわたり掲載されました。そして、私が斉藤先生の歴史を調べるきっかけになった「斉藤先生、わが自叙伝」を連載されたのも星野武夫先生でした。 その後も「理容文化」は日技会の数々の講習・イベント・講師を紹介する記事を掲載続けて頂きました。個人的にも修業時代に会の弁論大会の時に理容文化社賞を頂いたり、「評論」というコーナーでも2回ほど意見を掲載して頂きました。その「理容文化」が休刊となり実に残念でなりません。 更に1月半ばには組合から回覧と共に組合機関紙「ひといき」が配られました。いつものように読み流し、最後の記事を読み終えて左端に目をやると「ご愛読有り難う御座いました。休刊いたします。」と表記された文字に思わず“ひといき”お前もか!! 残念を通り越して業界の危機的な状況をひしひしと感じてしまいました。こんな業界の状況にお引き受けした東京本部長の重さを改めて感じると共に、今年はフンドシの紐を引き締め直して覚悟して物事に取り組まねばと決意した新年です! |