4月は新年度の月、全国各本部でも新しい会員が入会されたことでしょう。
特に新入会員の方々に心から歓迎のご挨拶を申し上げます。
皆さんは、64年の歴史をもつ伝統ある日技会の会員として、今、第一歩を踏み出しました。「愛される理容師」をめざし、一歩一歩、着実に歩んでいって欲しいと思います。
さて、皆さんは今、関心や興味、それに職業観・就労意識を高める上で、それぞれ期待が大きく膨らむ時期を迎えていることでしょう。
とある詩の一節を紹介します。「自分の中には自分の知らない自分がある」、私の好きな言葉です。
詩の解釈はいろいろですが、皆さん自身が、まだ知らない自分が、自分の中に眠っているんだ、と。そこで、自分を成長させ、自分の中に眠っている限りない可能性を探り当てるための学修の場、それがここ日技会なのです。
皆さん自身が、まずは目の前にあるものに真剣に取り組み、粘り強く着実な努力を続けましょう。志を掲げ、夢を大きく持って、未知なるもの、困難なるものにも積極果敢に挑戦して、皆さんの中にある「自分の知らない自分」を大きく開花させて頂きたいと願っております。
次に、新しく後輩を迎え、立場的に先輩となった方々、更なるターゲットを目指して始動されている事と思います。
そこで、自問自答をしてみてください。「自分の上司は自分! 自分の部下に自分のような部下がいたら嬉しいか?」と、自らに問かけてみると、答えは自ずと出てきます。立場が変われば相手にどう映るか? と言う事です。
これはお店の中だけでなく、例えば、休日に外出して、食事の時のマナーやオーダーの仕方、食べ方一つ、相手は見ています。「また来て欲しい・・・」と思われるようなお客様になっているか? 私は、こういう事こそが大事なことと思っています。
立場が変われば自分がお客様、そんな時には素の顔が出て、人間性は隠せないのです。
話は変わりますが、今日、理容師養成教育制度は充実の度を高め、日本の理容技術は世界でも他の追従を許さぬ地位を築いていることは、すでにご承知の通りですが、この礎を築いたのが、日技会創設者齋藤隆一先生です。
齋藤先生は、全国理容連盟教育委員長、全理連立で中央高等理容学院(現在の全国理容中央学園の前身)を創立し、初代学院長を務めるなど、教育の最高責任者として多くの功績を残されました。理容業界の中で、こんな立派な先生を会主と仰ぎ、師と仰ぐことの出来る私たちは本当に幸せだと思うのです。
日技会で学ぶと言うことは、「誠 体 施」を会是とした各本部で、齋藤先生の教えを伝承する会の会員であることを誇りに、技学の勉強を通して、人間として、社会人としての常識なども身に付けてもらいたい。そして、会員一人ひとりがそれぞれの立場で、それぞれの目的をはっきり把握し、会の名称の通り、日本の理容の技術と学問を建設する研究団体として、さらなる信頼を得るために、お互い、自信を持って行動するよう頑張りましょう。
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