NRG 日本理容技学建設会
  

  第45回
      

【ウイルス対策と消毒薬不足の対策について】
                    東京本部 秋田光紀  
               zbh28870.olive@orange.zero.jp  
                        

 こんにちは。北海道在住の秋田光紀です。
今回は、「ウイルス対策」と「消毒薬不足対策」についての情報を取り上げたいと思います。

今や全国的に話題の「コロナウイルス」の影響で、薬局に消毒用エタノールが品切れ状態の所が多いようです。
もちろん、私達の化粧品問屋にも在庫が不足しているようです。
消毒用エタノール不足対策として、無水エタノールと精製水で対処できます。
無水エタノール400mlと精製水100mlで、消毒用エタノールになります(エタノール76.9%〜81.4%)

精製水がないときは、水(水道水やミネラルウォーター)でも作ることができます。ただし、水にはミネラルなど不純物が混ざっていて「劣化」を早めてしまいます。

もし水で薄める場合は、長期保存はせず、早く使い切るようにしましょう。
ただ、ご存じのようにアルコールは「ウイルス」にはほとんど効果がありません。

現在、ウイルスに効果があると期待されているのが「次亜塩素酸ナトリウム」。いわゆる漂白剤の主成分です。除菌効果や消臭効果に優れています。
ドラッグストアやネットでも気軽に手に入るのでお勧めです。
私のお店では商品名「次亜safe」(次亜塩素酸ナトリウム0.02%水溶液)を使用しています。

0.02%って、ほとんど水じゃん!と思ったあなた。
(0.02%=200ppm)とは厚生労働省がウイルスに効果があると認める基準濃度です。

一般的なウイルスや菌に加えて、流行性ウイルスなどアルコール除菌剤では除菌できないウイルスにも効果を発揮します。
ですから、インフルエンザやノロウイルスにも効果がありますね。
包丁やまな板など、ある程度強力な除菌力が必要な場所にも用いることができます。
ただ、水溶液ですので、反応速度がとても速いため、汚れたままの状態で使用するとその汚れと反応して水になってしまい除菌効果が薄くなってしまいます。そのため、あらかじめ汚れを取り除いて綺麗に掃除してから仕上げの除菌として使用することがのぞましいでしょう。
大変便利な商品なのですが、案の定、こちらも品薄、または値上がりの最中です。(汗)
代用品として市販のミルトン(1%水溶液)が使えます。
x=0.02%(作りたい濃度)×1000ml(使用する量)÷1%(薬の濃度)x=20ml
ミルトン20ml+精製水980ml=次亜塩素酸ナトリウム0.02%水溶液です。
ちなみにキッチンハイターは5%です。その場合、498mlの水に対しペットボトルのキャップ半分のキッチンハイター(2ml)が目安です。
キッチンハイターの場合は、他にも色々な成分が入っていますので、あくまで「代用品」としての使用をお勧めします。
また、レザー・ハサミ等は避けて下さい。サビます(汗)


前述の「次亜safe」などは、加圧式の水スプレー容器に入っていますので、空気中に散布して頂いたり、布などに吹きかけてドアノブやスイッチ、椅子の背もたれやひじ掛け等、スマホやリモコン等を拭き取ると除菌できます。
「ウイルス対策やってますよ」的なアピール効果も期待できるかも♪(笑)
いずれにせよ、手洗いで「洗浄」消毒薬で「除菌」が基本ですので、まずは「予防」を心がけていきましょう。

【追記・2020/2/23】
勘違いがあると困るので、追記します。
今回説明させていただいた「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」は「消毒液」です。
もし、加湿器などで使用されるときは「次亜塩素酸水」を使用します。
濃度も、「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」を除菌に使用するときは0.02%、
「次亜塩素酸水」を加湿器で使用するときは0.002%です。

大きな違いは「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」はアルカリ性、「次亜塩素酸水」は酸性です。
「次亜塩素酸水」は、いわゆる「電解水」で、塩水を電気分解して作ります。
殺菌効果は酸性である「次亜塩素酸水」のほうが強いので、0.002%でも効果があります。
ネットでも「次亜塩素酸水」は売られているので、加湿器に用いる方は購入して希釈して用いるのが手っ取り早いと思います。
「次亜塩素酸水」は、スーパーの野菜の洗浄にも用いられるほど安全ですので、食品添加物扱いとなっています。

PH調整のために、次亜塩素酸ナトリウムに炭酸水やクエン酸を加えて、弱酸性にして用いる方法もあります。
じゃあ「次亜塩素酸ナトリウムのpHを調整したもの」は安全ではないのか、と言うとそうでもなくて(笑)食品添加物としての申請が行われていないだけでして。
食品添加物である次亜塩素酸ナトリウムと食品添加物である塩酸やクエン酸を混合し、それを用いることは差し支えないとなっています。
その場合でも体に吸入されることを考えると、加湿器で用いる場合、出来れば次亜塩素酸ナトリウム以外の成分が入っていないものをお勧めします。(ミルトンなど)

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