会員発表 第25回
                                

   アトピー性皮膚炎とケア

                          福岡本部  宇都宮まどか

                             madokarabo@yahoo.co.jp
 

 私が皮膚ケアの研究を始めたきっかけは重症のアトピー性皮膚炎を患うお客様からお顔剃りをしてほしいと言われたことが始まりです。それから十数年かけて辿り着いた私なりの考えをご紹介したいと思います。
 皆さんはアトピー性皮膚炎の事をどれくらいご存じですか?生れつきの疾患である。治らない。治療薬のステロイド剤は副作用が強くて危険な薬。そんな噂を一度は耳にされている事でしょう。家族や親戚.ご自身もアトピー性皮膚炎の経験がある方、お客様が疾患をお持ちであるなどアトピー性皮膚炎は身近な皮膚トラブルであるにも関わらずケアの情報が少なくて治らないというのが定説です。
 例えば本屋にいけばアトピー性皮膚炎に関する書籍が色々と置いてあります。民間療法を名うったものが多く、漢方や温泉治療、断食や野菜スープ、イソジン塗布、酸性水、何とかの銘水、プルーン、海水や紫外線消毒など「治った」という声がある背後には試してみたけど一向に良くならない、もしくは悪化した方がその何倍も居られます。そもそも皮膚トラブルを治す場合、何を使うか?ではなく何が原因なのかが重要です。そしてアトピー性皮膚炎の場合、3つの原因があります。
 一つ目は「肌が乾燥しているので保湿をしなきゃ」という思い込みで色んな化粧類(保湿剤)の使いすぎによる接触皮膚炎を起こしている。私が担当するお客様は正にこれに該当します。化粧品類を塗布した顔面などは炎症が重症ですが、頭皮など使用していない部位は炎症もなく健康肌でした。
 二つ目は「アトピー性皮膚炎は治らない」と諦めて全くケアをしない事です。洗顔もスキンケアも外用剤も使わず放置する方が意外に多いのも驚きです。
 三つ目はアトピー性皮膚炎と思っていた症状が実はアトピー性皮膚炎ではなく違う疾患の可能性です。皮膚科を受診しても専門医の治療は対処療法です。炎症であればステロイド剤、乾燥ならワセリン、硬化なら尿素剤といった具合に原因を突き止めるというよりも現状への対処が主です。つまり患者一人一人に聞き取る時間が作れない専門医に比べて、充実したカウンセリングを行えるのが私たち理容師といえます。
 お客様を診て触れてカウンセリングを行うことでアトピー性皮膚炎の方へ精神的にも物理的にも安心の施術をご提供できます。治そうと肩に力を入れず、先ずはお客様と対話してみませんか?
 今後も理容サロンにおけるクリニックの可能性を拡げていきたいです。



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