会員発表 第23回
                                

  平成26年度 講師ゼミナールに先がけて_Ⅱ
   脱毛症のケア

                          福岡本部  宇都宮まどか

                             madokarabo@yahoo.co.jp
 

 理容師の方へ脱毛症のケアを行っていますか?と尋ねると返ってくる答えは「難しそうなのでメニュー化は考えていません」「医療行為なのでするべきではない」といった残念な意見が多いです。なぜダメージヘアに対してはケアなどの施術は行えるのに脱毛症のケアに対して苦手意識が強いのか。その原因を考えてみることで苦手と感じる脱毛症のケアをお店のメニューに取り入れてみませんか。
 現在、理容サロンで行っている脱毛症のケアとは【発毛】【育毛】といったお客様が実感できる物理的なケアを中心に結果を出すことが求められています。それこそが技術者にとって施術行為を難しくさせている原因です。果して発毛だけがお客様へ提供できる脱毛症のケアなのでしょうか。
 脱毛症であることは命に係わることではありませんが、当事者にとって心理的には大きなストレスです。そのために社会生活に支障をきたす人も少なくありません。つまり生活の質の面から考えると極めて重要な疾患といえます。例えば円形脱毛症を発症した学生さんは周りの目が気になり学校へ登校できなくなるという相談があります。その場合、治すことよりも先ずは脱毛班をカバーして心安らかに過ごせるかを最重要としてカウンセリングを行います。私がサロンで実際にお客様へお勧めしている方法は粘着力の強い黒のファンデーションで脱毛班をメイクでカバーする方法です。汗にも雨にも強い製品がありますのでご本人が精神的な安心を得て「楽になりました」と笑顔で帰られます。発毛させるためのアドバイスやケアも勿論大事ですが脱毛症であるという精神的な不安にもケアを拡げて、合わせて予防するためのケアなどをメニュー化することで売り上げに繋がるヒントは理容の中には沢山あります。
 また、脱毛や薄毛といった相談は話題にしにくい悩みといえます。そこでイメージを変えて気軽に話題にしやすい環境作りのヒントなども合わせて来月の研修会でご紹介させて頂きます。どうか宜しくお願いします。
  
  
  

会員発表
TOP