現在の多く使われているカッテング鋏は、そのほとんどがステンレス鋼が主になっていると思います。ステンレス鋼と言っても、モリブデン、コバルト、チタン、タングステン、他いろいろの含有量でその特性が生かされております。それらにより従来の鍛鋼より摩耗率を少なくして長切れを求めております。
刃物の先端刃は鋸歯状によって切り裂くのですが、その鋸歯状は切る物の硬柔、厚薄、太細などその抵抗によって鋸歯状の状態も鋸と剃刀のように変わってきます。
特に鋏は鋼と鋼が擦り合わさり挟んだ間の毛を切るのですから、非常に繊細で難しいのです。鋏は、その形状や材質などにより、そり、ひねり、触点の状態、それによる刃角度などを変えなければなりません。
【私の研磨方法】 1、従来の鍛鋼鋏は砥石研磨法で良いと思いますが、ステンレス鋼は私の研磨方法は、そり等の調子を調整した後、鋏の裏面をサンドペーパ♯1000番(目つぶしあり)で研磨します。
2、表刃をサンダーグラインダーにて状態により600~1000番で峰から最終刃角度36度位で蛤刃状研磨します。
3、バフグラインダーに酸化クローム棒を付けて刃角度を注意しながら研磨します。
★矯正 14:25
※このハサミは、刃線及びひねり等の状態に狂いが生じていたため、このような矯正を致しました。正しい調整が出来ていれば、この工程は必要ありません。
★本研磨 15:07
★バフ仕上げ 10:40
★組立て 5:23
【簡単ラッピング研磨調整法】
1、良く切れていた刃こぼれのない鋏が切れ止んだ時、一時的に復活させる方法は、平板に張った♯10,000 のペーパーで鉄を右手で持ち角度(約37度位)を決め左から右に角度を固定
して弧を描くように元から刃先に研磨します。
2、静刃は約3~4回くらい、動刃は1~2回くらいで研磨しすぎない事です、研磨し過ぎは鋸歯状刃が細かくなり過ぎ切れ味が悪くなります。あくまで切れ刃調整ラッピングと思ってくださ
い。
3、これを繰り返し数多く行なったり、角度が変わると本研磨で大変苦労しますので要 注意です
裏刃は研磨しません、返り刃が出たら軽くしごき取る位です
刃物が切れなくては当然良い仕事は出来ません、その様になる前に正しい研磨をして下さい!
8:31
【最後にひとこと】 0:40
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