NRG 日本理容技学建設会
 



            斉藤 浩一

                 k_saito@p1.tcnet.ne.jp

日技会の皆さまこんにちは!
 富山県理容組合所属で全理連中央講師の斉藤 浩一です。
 
今回この様な機会を頂き大変ありがたく思うと同時に、今まで直接的にはあまり接点の無い日技会に対してどの様な事を書けばよいのか大変悩みましたが、私が理容師である以上、今日に至るまで、齋藤隆一先生の理論や技術の恩恵を受けてきましたし、そして日技会の先生方や友人に、大変お世話になってきました。ありがとうございます。

 
さて、私が理容師になろうと思ったのは、富山高専在学中で三年生の時でした。
 
高専は五年制ですので、理容師になるのは少しでも早い方が良いと思い、卒業を待たずに三年生終了時に東京か大阪へ出て修行の道に出ようと考えました。
 
しかし卒業だけはして欲しいという家族の強い反対にあい、結局五年間20歳になるまで勉学に励む事になりました・・・というか、・・・卒業までの2年間は楽しく社会勉強?させて頂きました。()
 卒業の年を迎え、お世話になるお店を探していましたが、父親が富山県教育部長をしていいた関係で、有名な先生方に富山に来て頂いて講習していただく機会も多く、当時ニューヘア「クロスピア」の設定委員で講習の為に富山に来られたご縁もあり、第一部全国チャンピオンでアイロンの神様といわれた、東京の故高田嘉夫先生の所にお世話になる事になりました。
 
高卒より2年遅れて、この業界に入った事もあり理容学校は通信制度を利用して、働きながら理容師免許を取得する事になりました。
 
お店ではもちろん基本的な事も教わりましたが、師匠はどんな技術にでも独自の工夫や考えを持っている方で、たとえばミディアムカットでは、まずクリッパーを入れますが、次にお客さまに似合う様にモヒカンラインでガイドを作って、接合部より上の部分を指間刈りで余分な毛をカットしてしまいます。
 
次に連続刈りを行うのですが、この時も接合部を作ってしまう事に重点をおいて、全体のフォルムを作ってしまいます。
 
そして、ボカシを行いネープ、ネックライン、もみあげの処理を行い、セニングシザースで毛量を調節して完成!っといった具合です。
 
上部から下部へ順に刈り下げてスタイルを作っていくので、師匠は当時自分で「刈り下げ技法」って名づけていました。
 
今では色んなカットの方法や手順があると思いますが、30年前にこのカットをやると「邪道だ!」とか「低料金店の仕事だ」と言われた事もあり、とても残念がっていたのを思い出します。
 
こういった経緯もあり、私の技術の根幹となるものは師匠の高田嘉夫の仕事であり、正式に技法を習ってないので国家試験を受ける時には皆と違うので多少の戸惑いもありましたが、国家試験も師匠の教え通り受験して合格しましたし、その後の色んな技術も、師匠の教えや考えの上に積み重なっていったものです。
 
何年か経って初めて日技会の先生にミディアムカットを披露して頂いた時は、教科書通りの、その洗練された技術、理にかなった姿勢や立ち位置、運行順序で見事に仕上がっていくスタイルに感動したと同時に、「先生みたいに、あんなに簡単そうにシンプルにカットしていくには、相当の練習が必要だろうな。」って思ったのを覚えています。
 
現在、中央講師になって各講習や学校の授業などにお呼びいただくこともありますが、基本を大切にしながらも師匠から教わった事を核に、多種多様に広がっていく技術や考え方に対応できるよう、色んな良い所を取り入れて融合し、固定観念にとらわれないよう時代の変化に対応していきたいと思います。
 
日技会の皆さまには、これまでと同様に日本の理容技術を支えてこられた屋台骨として、技術を研究される事と、益々のご活躍を祈念いたします。
 
微力ではありますが、私にできる事があれば何でもお手伝いさせて頂きます。

 
話は変わって本年度は1119()に富山市総合体育館で第64回全国理容競技大会が開催され、現在も着々と準備が進められています。
 
富山県組合員一同、全国の皆様のお越しをお待ちしています<m(__)m>
 
是非会場でお逢いしましょう!
                                              全理連中央講師 斉藤 浩一

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