NRG 日本理容技学建設会
 
     
 小島正規(コジママサノリ)

 全理連中央講師 東理同組専任講師 国際理容協会本部講師
 Hair Flower
  132-0035 東京都江戸川区平井4-16-7
  Tel 03(3682)6405
  mail mk-flower22@s5.dion.ne.jp
  Hp  http://www.hairsalon-flower.com/

この度は日技会「会員外便り」に投稿させて頂き大変に感謝しております。現在IBA(国際理容協会)に所属しています小島正規と申します。よろしくお願い致します。

今回このお話しを頂いた時、私の理容人生の不思議な歩みと言いますか、関わりと言いますか、感じてなりません。
と申しますのも、私は本来なら、阿部泰彦先生(元全理連中央講師)のもとで修業させて頂き、ゆくゆくは日技会の会員となっていたかもしれないのです。
しかし現実では、ある大きな事態が起こり、3代目として自店を継ぐか、やめてしまうかという岐路に立った時、阿部先生と相談の結果、本格的に理容を始める決心しました。当時22歳 ほとんど技術の無い私に、先生は週2回も私の店に来て頂き懇切丁寧に指導してもらいました。
ミディアム・ブロース・櫛作り・シェービング・フェイシャル等々私の基礎、基本を作って頂いたといっても過言ではありません。
更に、阿部好男先生にもご指導頂くチャンスが生まれ、何度もお店にお邪魔し教えて頂いたのですが、当時まだ高価だったビデオを頑張って購入し、その撮影した技をすりきれる位見て学んだ記憶があります。(テープは今でも大切に保存してあるんですよ)

そしてこの少し後の時期、好男先生に弟子入りされ紹介されたのが、現日技会伊藤正史会長なのです。ですからもう25年位ひたしくお付き合いさせてもらっています。(伊藤会長、これからもよろしくお願いします!)
    
                   1997年3月3日 伊藤会長とヘアショー

ところで皆さん 伊藤会長のお話しの仕方って「すごい!」って感じませんか?
冷静で理論的、声が小さい時でも迫力があり、太く低いその波長は人の気持ちの中に入り込み説得力がある。
以前一緒に入っていた研究団体の様々な決め事や方向性などをよく話し合っていたのですが、最後は伊藤会長の判断が正しい・・・そんなことが多かったと思います。(私の方がほんの少し年上なのですが、そんなこと微塵も感じません・・・)
日技会という長い歴史と凄い伝統があり、大勢の会員様が所属されている日本一の研究会、この素晴らしい大舞台でも活躍してくれると確信しております。

お話しを変えさせて頂きます。
今私は、全国大会東京都選手団第三部コーチを務めさせて頂いております。嬉しい事に一昨年の香川県、今年の沖縄県大会と二連覇する事ができホッと胸をなでおろしている所なのです。
何だ自慢かよ?と思わないで下さい。
実は東京都の第三部門は何と18年間チャンピオンを作る事が出来ず、周りからは「3部はモデル選びが悪い」「ボタンを掛け違えている」「テキストを無視している」etc・・・様々な事を耳にしており、依頼が来た時、自分の力では到底無理であると感じ断ろうとしました。
しかし、自分も選手として挑戦し続けた第3部門優勝の夢を、今度はコーチとして選手たちと共にもう一度やれるのはこれが最後・・・
「負けて元々、これで駄目ならクビにしてくれ」こんな思いでチャレンジです。

なんで勝てないのだろう?・・・・    
何が悪いのか?・・・・
かなり考えたのですが、答えが見つからずにいた時、たまたま大阪府のチャンピオンのデモストをサポートする機会があったのです。
モデルさんの第一印象は、さすが優勝モデル 顔がカッコよくて背は高いし髪質も最高で言う事なしのバツグンの方です。
そこにチャンピオンの作るヘアスタイルが乗ってくるので、優勝するのは当たり前かもしれません。

しかしデモストが終わりモデルさんをシャンプードライしている時、一つ大きなことに気が付きます。
・もみあげがかなり薄い、左右の高さの違い
・襟足が細い、みつ襟だけが濃い
・かなり硬い髪質で入念な事前の手入れがされている
・ハチの張った良い頭骸形をしているがイビツである
等々・・・一見すべて完璧に見えたモデルさんには、実はけっこう悪い個所はあるのだと。
それをしっかりと補正してバランスを取る事で、完璧に見えるモデルになるのだと。

いままでテキストの長さ設定や形ばかりに目が行っており(ここも重要ですが)、もっとモデルさんに似合わせること、長所を引き立たせるテクニックや頭部下部における普通と考えがちな部位をきっちり美しく見せるトレーニングをしてこなかった反省点が生まれました。
たまたま今回優勝してくれた2人は、同じIBA(国際理容協会)競技部KCCに所属している関係上、月に5~6回の練習会を組むことができ、この辺を徹底的にやりこみました。(優勝は、選手本人の相当な練習量と気持ち、師匠稲葉孝博先生の血の通ったご指導が有った事は言うまでもありません)
そしてここでのバイブルとなったのが「理容技学全書」(株)斎藤会館。
特に顔の形と似合わせるシルエット(教科書では分髪線の所)、欠損頭骸形と横からのシルエットの作り方はかなり読み込み考えました。またほかの部分でも沢山この書をヒントにしています。
改めて、斎藤隆一先生があの時代にこのような深い考えをお持ちだった事に驚きを隠せません。
今手元にある「理容技学全書」は、表紙が壊れテープで補正してあり、中のページも書きこみや赤線だらけで大分ボロボロになってしまっていますが、私の大切な大切な「宝物」です。

何か取りとめない文章になってしまいました事、ここでお詫び申し上げる共に、また同じ理容家族としてこれからもよろしくお願い致します。
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